さらし【晒し】
①さらすこと。さらすもの。
②江戸時代、罪人を縛ってみせしめに世人に見せた刑罰。
「僕も行きたい!」
息子が買い物について行きたいと言った。
涙の無い泣き顔をここぞとばかりに見せつけてくる。
ハッキリ言う。
その手には、乗る。
店内を走り回り、商品を触りまくり、お菓子やジュースをねだる息子を連れていくのは気が引けたが、連れて行くことにした。
野菜の買い出しは、カネスエか、業務スーパーか、トミダヤに行く。
この日はトミダヤに決めた。
現在、羽島市のトミダヤがあるWing105では、ドンキホーテを新規オープンする作業が行われていた。
あの、しつこく流れまくる音楽が、ここでも体感出来るのかー、と思いながら、カートを引き買い物カゴをセットした。
この日はナスと、しめじ、大葉に用があった。
「僕、野菜食べれるよ」
そう言って、息子がカゴに入れたのは野菜ジュースだった。
ナスがなかなか見つからず、探し回っていると、1人の婦人が息子とぶつかった。
ぶつかったといっても、そんなに派手なことではなかったが、婦人がこちらに気を向けることはなかった。
彼女は青菜類が並ぶコーナーで立ち止まり、ある商品を指さした。
小松菜だ。
彼女はまた移動を開始し、別の商品を指さした。
ピーマンだ。
さらに移動をし、また別の商品を指さした。
一体何をしているのだろう。
彼女に付きそう者が二名いた。
その二名は、書類のようなもの、ペン、そしてカメラを持ちながら忙しくしていた。
その二名は警察官だった。
「これでいいのね?」
背が高く、瘦せ型の警察官が彼女に問いかける。
問いただすの方が正しいか。
彼ら警察官は、おそらく万引き犯である彼女に盗んだ品と犯行現場を記録していたのだ。
僕ら以外にもお客はいた。
傍らではひそひそと。傍らではスマホを。傍らでは無関心。
おそらく万引き犯である彼女は、他の買い物客の好奇や軽蔑の視線を浴びながら、警察官に撮影されていた。
これは現代版の”晒し者”だと思った。
事務的な作業と表して、この時点で罰するその所業、なんと残酷な。
悪いことはしない方がいいな。
ご無礼しやす。

