当店の太客からのリクエスト。
「肉焼売」
2年ほど前に常駐していたメニューだが、しばらく休んでいた。
休んでいたのには理由があった。
この商品の具は、
豚肉ミンチ
玉ねぎ
以上である。
まさしく
「肉焼売」
味付けは若干甘めに。
たまねぎが本来持ち合わせている”ソレ”も最大限に活かしている。
この商品は、とても評判が良かった。
マジで、肉と玉ねぎだけなので、
素材の持つ味が、空を覆い、稲妻を操り、波を立てて、静かに懐に落ちる。
ということで、太客のリクエストには基本的に99パーセント応える自社「さそり座の台所」が、
本日「肉焼売」の仕込みを行う。
まずは玉ねぎを切る、と言いたいところだが、
ここに、僕がしばらく作るのをためらい、
休んでいた理由がある。
こいつを切るときの、あの涙が嫌いなのだ。
誰にも見せれない、あの涙が嫌いなのだ。
ぽっぽやを観ていた時の涙は好きだが、
なぜ、野菜をきるだけで泣かなければいけないのか。理解に苦しむ。
だから、私はこうする。
こうして、仕込みが始まる。
玉ねぎを粗めにみじん切りして、
塩もみする。
30分ほど待って、水分を絞る。
点心料理に余分な水分は大敵である。
肉と合わせて、練る。
調味料加えて、練る。
練る。
練る。
大事なことは再三言う。
白っぽくなったら、よく混ざった証拠。
これを、営業中に包んで、蒸す。
ちなみに、肉焼売は本来の中国料理には存在しない。
あくまでも日本の中華料理である。
兎にも角にも、これで準備が整った。
これで、あの夫婦が喜んでくれるのを待つのみ。
以上。
そして、作り終えたころには、こうなる。
口呼吸もむなしく、曇る。
ひげも少し伸びていた。
アディオス。


コメント